Saturday, March 31, 2018

異動

久々の投稿です。鏡味です。

東邦大学理学部の湖沼生態学研究室は2018年3月をもって解散することとなりました。

研究室が始まったのが2007年、53名の学生が卒業しました。研究室は学生や研究員の方々の研究・サポートなしにはありえませんでした。今まで本当にありがとうございました。

先日開いてもらったOB・OG会(鏡味追い出しコンパ?)、多くの卒業生が参加してくれました。それぞれの分野で活躍して様子がわかり、嬉しかったです。また生命圏15周年などでも会いましょう!




2018年4月からは横浜国立大学の環境情報研究院で働きます。研究室名は「水域生態学研究室Laboratory of Aquatic Ecology」と改名し、湖沼にくわえ東京湾など海洋沿岸や多摩川などの河川もフィールドとして研究を進めていきたいと思っています。ぜひ遊びにいらしてください。


Friday, July 15, 2016

2016年度の研究室は?

だいぶ投稿が滞っておりました。鏡味麻衣子です。

現状と2016年度の活動予定について報告させていただきます。

少しさかのぼりますが、 2015年度の研究室メンバーは3月に全員卒業しました。皆さんおめでとうございました。今はそれぞれ社会人や大学院生として、新しい環境に飛び込んで頑張っている事とともいます。


2016年度のメンバーは修士課程2名と鏡味の3名です。鏡味は4月1日からドイツに1年間研究滞在しております。修士2名は東京海洋大学筑波大学に外研です。それぞれ異なる環境ですが、3人で一致団結、プランクトン研究に精進します。

鏡味の滞在先はIGB-Berlin(正式にはLeibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries)のExperimental Limnology(実験陸水学)部門です。ベルリンから北へ80Kmほど行った湖沼地帯に位置しています。研究所の目の前には湖Lake Stechlinが広がっています。


到着後1週間と待たず調査に同行しました。


小型の船で湖の中央にある隔離水界(Lake Laboratory)を目指します(あっという間に到着です・・・)。



この湖、Lake stechlinは貧栄養湖でしたが、着実に富栄養化は進行しています。また、温暖化の影響もでてきているようです。今年は、例年と比較し、春の珪藻ブルーム(プランクトンが急激に増える事を開花とからめてブルームとよびます)が小規模でした。また、藍藻の増加が早まり、5月の時点で増え始めました。冬が暖かく、湖が凍らなかったそうで、その影響ではないかと、研究所の研究者達は考えています。

Lake Stechlin以外にも、周辺には500個以上も湖があります。これは、かつて氷河で覆われていた土地だったからです。ことなる環境をもつ複数の湖沼を比較して、重要な要因を探る「湖沼間比較調査」もやってみたいと思っています。

これから少しずつ、こちらの様子を紹介して行きたいと思います。次の投稿は実験室の様子を報告します。



Tuesday, July 21, 2015

2015年7月10日印旛沼調査

こんにちは。
真のブログ係の1人、ツボワムシの形態に着目しておりますO竹こと大竹です…更新義務を滞ってしまい非常に申し訳ございません。
以後更新頻度を上げ、みなさんに湖沼の生き物の面白さの一端をお伝えできるよう邁進出来ればと思いますので何卒よろしくお願い致します。


先日、7月10日に印旛沼の全域調査を行ってまいりました。
今回、湖沼生態学研究室ポスドクの栗山先生もご同行して下さいました。

セキ君が、印旛沼の枝角類(ミジンコ類)の分布や密度組成を全域的に解明することになったため、また、オニビシ帯出現につき、大竹がオニビシ帯サンプルを所望したため、前回の調査(地点数:12)から、さらに9地点追加しての、21地点でのサンプリングを行って参りました。

大繁茂オニビシ

行ったことは、前回岡崎君が書いてくれた作業と同様で、今回はそのプランクトンの定量・定性サンプル採集、水質調査などのほか、地点の流速計測なども取り入れてみました。


前回、調査の作業やそのあとの濾過を紹介していただいたので、今回はこの時期に印旛沼でみられる代表的な動物プランクトンを紹介してみたいと思います。

どのような種が存在したのか確認するため、この日に採集した、動物プランクトンの定性サンプル(ネットは200µmのものを使用)を、実体顕微鏡で観察してみると、以下のような世界が
        下は暗視野で撮影したものです。宇宙のようで神秘的且つ美しいですよね。
    ざっと見たところ、カイアシ類が多そうで、オナガミジンコやツボワムシも多くみられそうです。
    ゾウミジンコも数個体見られていました。
 
では、それらのプランクトンを個別にご紹介致します。
 
まずは、たくさん見られたカイアシ類。
上の写真の細長い子達はこの子達です。
 
頭胸部を超えない第一触覚から、肉食性のケンミジンコ目(Cyclopoida)とわかります。
このように曲がった触覚を持った個体がオス個体です。
交尾の際に、メスの身体を掴むために役立つと考えられています。
こちらは、長い第一触覚が特徴の、ヒゲナガケンミジンコ目(Calanoida)に属する
ヤマトヒゲナガケンミジンコ(Acanthodiaptomus pacificus
ケンミジンコ目と異なり、草食性です。
触覚の長さがよくわかる一枚
 
光学顕微鏡で観察するとこのように見えます。(×100)
胸部・腹部の節の数から、生育段階を判断することが出来ます。
この子はおそらく、copepodid幼生の5期目です。
 
 
 
オナガミジンコ(Daphnia brachyurum
 
印旛沼で、夏季に多くみられます。
暗視野で、抱卵個体。背中に見える楕円のものが卵です。
 
 

ゾウミジンコ(Bosmina longirostris
 小型の枝角類です。
 

大量の卵を持った個体も。
 
 
 ゾウミジンコは、捕食者であるケンミジンコに対する防御として、吻を伸ばすという形態変化が知られています。(坂本ら,2007)
 今回観察されたゾウミジンコも、様々な吻の形の個体がいました。
  
cornuta型と呼ばれるかぎ状の吻。
この形状はケンミジンコに対して、防御として働かないようです。
longirostris型と呼ばれる直線型の吻
この形状の中でも、様々な長さが見られます。
長い吻は、カイアシ類が殻の間に入ることを阻害しているのでは、という考えがあります。

 
光学顕微鏡で観察したゾウミジンコ(×200)


 
 
ツボワムシ(Brachionus calyciflorus
 満を持して登場の我らがアイドル。私の研究対象生物です。
 このツボワムシも、ゾウミジンコ同様、捕食者存在下で防御に有効な形態を取る誘導防御が知られています。
 フクロワムシ属(Asplanchna)に対し、側突起を伸ばします。(Gilbert,1966)
 

↑ツボワムシの部位
 
フクロワムシ(光学顕微鏡:×100)
 
様々な側突起長のツボワムシ(共に光学顕微鏡:×200)
 
 
 今回実体顕微鏡で観察されたツボワムシ達
 ツボワムシはじめ、ワムシ類は実体顕微鏡で観察するには少々小さな生物と言えます。
ツボワムシやフクロワムシは、ワムシ類の中でも大きなほうなので、実体顕微鏡でも下の写真くらいには観察が可能です。
右側の個体は抱卵しています。
今回、抱卵している個体が多くみられました。
 
  卵4つ持ちです!

暗視野だとこんな具合。側突起が見辛いのはすみません…
 
 
そして、たくさんは観察されませんでしたが、湖沼のアイドルの一角、
Daphnia属、もといミジンコ属さんが見られました。
肉眼でも見ることが出来ます。
丸い頭に、円らな複眼に、大変愛らしいです。
暗視野。殻の透明感が引き立ち美しいです。
 
 
 
大まかな紹介で、雑記のようになってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
 
動物プランクトンを自分の眼で観察してみたいと思った方、湖沼の環境や生態に興味を持っている方がいらっしゃいましたら、是非、近日開催の東邦大学理学部オープンキャンパスにお越しいただければと思います。
生命圏環境科学科の湖沼生態学研究室では、研究紹介の他、顕微鏡を用いた動物プランクトンやツボカビの展示なども予定しております。
 
 東邦大学 理学部 オープンキャンパス
  日時: 8月1日(土)、2日(日)
        両日ともに、10:00 ~14:00
  
  所在地、そのほか詳細は、以下の特設サイトを参照願います
   東邦大学オープンキャンパスサイト/理学部 http://juken.toho-u.ac.jp/opencampus/sci/
   
 
それでは、失礼します。




Sunday, May 31, 2015

2015年度初更新!

はじめまして!今年度から鏡味研に配属されたオカザキことカジュピーです!
今年度が始まってはやいことにもう2ヶ月たっていました…
2015年度初更新が遅くなってすみません…
このブログを読んで下さる方々が楽しんでもらえるように頑張ってかきたいと思います!

今回の更新では4月に行った印旛沼での調査の様子を紹介しようと思います。


4月の後半に印旛沼に主に動物プランクトンをメインとしたサンプル採取に行ってきました!

戦いの場に赴く戦士たちの図



採集ポイントに着いたら早速採取!
カラムサンプラーを使うO竹さん
これで全体的な深さから採取します。それにしてもいい天気(´・ω・`)




 プランクトンネットを通して採取



湖水そのままを採取するザッキー大先輩
手際の良さが違いますね!!!



真似する自分
この時バレてませんが実は盛大にこぼしていますヘ(゚∀゚*)ノ

皆手際が良かったので午前中に終わることができました!


ザッキー大先輩のいい笑顔
後ろにいる丸ちゃんがお父さんのような顔でこちらを見ています。


セキくんとO竹さん
こんなゆるキャラいそう

印旛沼の様子を見ているF呂田名誉教授とハヤシさん
色々なアドバイスをしてくださり本当に有難うございます!!!


研究室に戻ったら
お昼をいそいそと食べて採取した湖水を早速濾過します

これで各地点の湖水を一瞬で濾過することができます(半日)
濾過したサンプルはDNA分析や栄養塩分析に使います


大体こんな感じです!研究紹介についてはまた次回やりたいと思います。
その時はきっと多分絶対ブログ係のO竹さんが更新してくれるはず・・・

してくれたら嬉しいな!


雑な感じで読みにくいかもしれませんが初回更新はこのくらいにしておきます。
ここまで読んでくださりありがとうございます!

オカザキでした







自分が研究対象にしているMicrocystis aeruginosa
これを書いてる時中村くんがボソッと「何これカビ?」といってきてとても悲しいです(´・ω・`)

        
オカザキ


Sunday, February 15, 2015

2014年度 研究発表会!

お久しぶりです、ジョージです!

最近すっかり更新のタイミングを逃しておりましたが……
先日、博士論文・修士論文・卒業研究公開発表会が行われました。

今回は、鏡味研(湖沼生態学研究室)・西廣研(保全生態学研究室)メンバーの
発表会の様子をざっくり報告しますよ!
長編の予感ですが楽しんでいただけると嬉しいです\(^O^)/
あっ指導教員お二人の写真が1枚もない!ごめんなさい!!


■2がつ12にち【博士論文・修士論文発表会】
 全発表タイトルはこちら

<湖沼生態学研究室>

中西 奈津美 : 湖岸における昆虫・クモ類の水生植物利用の季節変化

毎回申し訳ないのですが写真がないので、
主役のハムシ・クモ写真でお許しいただければと思います……

自分の研究では、夏になると水面を覆ってしまうヒシTrapa sp.
湿地性のコモリグモたちにも良い生活場所となっていること、
ヒシの上で暮らしているジュンサイハムシGalerucella nipponensisが実は
陸上の抽水植物にも結構影響を受けていることが分かってきました。

ヒシの上でのんびり暮らすハムシたちに癒やされました。
たくさんいすぎて胴長につきまくったのも良い(?)思い出
THE 子守ぐも。
スライドに入れたらS先生に「モザイクかけてよ!」と
言われましたがもうモザイクみたいなものですよね()
ちょっと力抜けちゃいました。。でももう少し頑張ります!
おつかれさま会をしてくれた子たち、本当にありがとう。゚(゚´Д`゚)゚。


■2がつ13にち【卒業研究発表会】
 全発表タイトルはこちら

<湖沼生態学研究室>

泉川 幸希 さん: 淡水魚中の放射性セシウム137濃度と体長・食性との関係
伊藤 遼太 さん : 印旛沼および手賀沼の水草帯における酵母の多様性
神谷 朱音 さん : アオコとツボカビがミジンコの生存率と産子数に与える影響
平野 稚奈 さん : 植物プランクトンに寄生する真菌類の単離培養と感染実験
福田 有里 さん : DNA解析を用いた東京湾表層の真菌の検出
藤信 ひかる さん : 印旛沼におけるオニビシとアオコ発生の関係
             および放射性セシウム濃度
宝槻 真生 さん : 印旛沼におけるワムシ類個体数の時空間変化
牧野 稜平 さん (生物学科から外研) : 印旛沼のオニビシ帯における魚類の分布

恩師・F呂田先生に説明する工場長。
魚屋の店長に転職したとの噂も(?)
ふじのぶさん。いつも外部の研究所に通って
大変だったよね。おつかれさま!
説明をするゆりちゃん。
毎日遅くまでお部屋に残ったり、
実験(も授業も)頑張っていました。
いとうくん。分けたり数えたり、細かい作業も
あったと思いますが…酵母菌とともだちになれたかな?
(今日のコーディネートはOKだったみたいです^^)
ざっきー大先輩に説明するわかめちゃん。
いつも熱心に質問しに来る様子を、
ジョージおじさんは微笑ましく見ておりました。
笑顔がすてきな、ミジンコ大好きねっち。
増やしたり育てたり、大変だったと思いますが
まとまってよかった!
ぽすてぃ!すっかりワムシの先生です。
「ど忘れからの再計数」のお話をきいて尊敬しちゃいました。
ポスターのデザインも完璧!
※マッキーの写真がなくてごめん!!! こばぴーとのツーショットで許して><


<保全生態学研究室>

川井田 美枝 さん : 神崎川氾濫原における止水域再生実験
             ~メダカを含む魚類に着目した評価~
小林 翔 さん : 草原の植物種多様性変化に影響する要因 ~千葉県北部での検討~
品田 大輝 さん : 印旛沼流入河川におけるナガエツルノゲイトウの
           抑制管理に向けた基礎研究
白土 智子 さん : 自然再生の可能性評価に向けた井の頭池の散布体バンクの把握
冨田 和宏 さん : 湿地再生の可能性評価に向けた印旛沼低地排水路
           および休耕田における水生生物の分布
望月 通人 さん : 河川水辺の国勢調査のデータを用いた河川環境問題の検出
           ~利根川下流域の植生を対象に~

S先生に説明するみえちゃん。
かわいいメダカと触れあい、
地域の方との交流も深まった楽しい研究でしたね。
マッキーに説明するこばぴー。
あきらさんと山ノ内お兄さんとのやりとりが最高です
いとえ姉さんに説明するかいつぶり氏もっち。
いまでは立派なGIS使いに成長?
品田くん。サークルの後輩に囲まれて大人気の様子。
ナガエのはなし、自分も勉強になりました。
さとこさん。はじめは水草全然分からなかったのに、
気付けば「タヌキモの殖芽が!」なんて言ってて
成長を感じました(笑)
とみー。ゲンゴロウLOVEです。
周りにむしのひとがいないので、楽しくお話しできて
うれしかったです!ありがとう~。

みんな、朝から夕方まで本当にお疲れさまでした。
これで一段落、かな?
去年も同じようなことを言っていますが…
みんなは1年間、自分は3年間ですが、本当にあっという間でしたね。
あとは卒業式だけのひとも、3月学会に行くひともいますが、
残りわずかな学生生活を楽しめたらいいなと思います!

以上簡単に、報告でした!

(おまけ)
(懇親会の写真なくてゴメンナサイ)

ねえさんとM1sとぴー
みんなかわいい
兄弟みたい(メガネが)
ジョージ

異動

久々の投稿です。鏡味です。 東邦大学理学部の湖沼生態学研究室は2018年3月をもって解散することとなりました。 研究室が始まったのが2007年、53名の学生が卒業しました。研究室は学生や研究員の方々の研究・サポートなしにはありえませんでした。今まで本当にありがとうございま...