Thursday, June 03, 2010

冬水田んぼ

湖沼生態学研究室の成島です。
佐倉の田んぼで動物プランクトン・水生昆虫群集構造の調査研究をしています。
調査地は、印旛沼を埋め立てた干拓地の田んぼです。


「冬水田んぼ(冬期湛水水田)」をご存知でしょうか?
慣行の農法では、稲刈りが終わってから次の田植えまで(秋から冬)は田んぼの水は抜いてしまいます。
しかし水を抜かずに冬の間も水を張っておくことで有機物や菌類が増え、栄養たっぷりの田んぼとなる
…という農法が、「冬水田んぼ」です。
私は冬水田んぼと慣行農法の田んぼの両方で調査をして、農法の違いが生き物にどんな影響を与えているのかを調べています。

冬水田んぼです。他の田んぼに水が入っていない時期に、いろいろな水生昆虫が集まっていました(その報告はまた改めて…)


慣行農法の田んぼです。こちらはゴールデンウィークに水が張られました。最近めきめきミジンコが増えてきています!
ちなみに右に写っている自転車で調査に通っています。最近、脚力が上がってきた気がします。
暖かくなってきてから、田んぼの周辺でよくクサガメを発見します。
10cm位のかわいいサイズです。
いつも一人で調査しているので、出会うとついつい話しかけてしまいます。


そうそう。6月2日の調査では、こんなミジンコ(Moina sp.)が発見されました!
百姓ミジンコです!からだで藻類を育て、それを食べて生活しています。自給自足ですね。
……ウソです。(風呂田先生談)
こんなに藻類が付着しているミジンコは初めて見ました。原因が気になります!
こんなについていたら、抵抗は大きいし捕食者に見つかりやすいし、デメリットが多そうな気がします…
今日のところはここまで!
これからも面白い生きものを発見したら、報告していきたいと思います。

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